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ドナー体験者の書籍

昨年末、ドナーとして骨髄を提供した経験のある方の書籍を読みましたのでご紹介します。

木村公一 著「気の小さな中年男の大きな決意(高校生の命を救う骨髄移植ドナー体験記)」です。

この方は48歳の時に骨髄を高校生に提供されたのですが、自分が社会に貢献したいと常々思っておられ、骨髄バンクへの登録の他にも災害が起きた地へ行きボランティアをするなど、ただ思うだけでなく実際に行動に移す本当に凄い方です。

本の記述内容を抜粋しますと、

・自分と型が合う患者はほとんどいないのに提供できるということは、自分が登録しなければなかったことだし、奇跡に近い。

・人の命が自分の身体で助かるのであれば、それは今まで生きてきた価値がある。

・骨髄採取のとき痛みはあった、傷もできた。でも大したことない、治るから。患者さんは大変だよ、白血病の人は大変だよ、治らないから。治らない痛みは大変だ、我慢できない。

・仕事とか商売で成功するのは目的ではない、これは手段、生活のため。これまで達成感がなかった、やったというのが欲しかった。目的は自分が世の中に何をしたかが残ること。もっとそれを残したい。

・世の中は自分ひとりで良くなることは不可能。自分が良くなったと思ったら周りの人も良くしてあげる。そうでないと世の中が良くならない。自分も良くならない。

・私は意気地がない、根性もない、世の中のためにあまり役立たない。そう落ち込んでいく気持ちにブレーキを掛けてくれました。ちゃんと役立った、自分が生きていた証が立った。

・骨髄提供は医者にもできないこと。その子の命だけではなく両親や周りのすべての人の心の命も助けることができた。

また実際に提供するまでのことが詳しく書かれています。まずドナーが提供するには最終同意が必要ですが、家族の説得が大変です。医者や弁護士が合併症や後遺症のことを伝えて、止めるように伝える場面もありました。家族からは当然反対する声が出ますのでそれでもやるという強い決意が必要なのです。

ドナーは何度も検査を受けに行かなければなりませんし、提供を最終決めてからも決定した移植日まで自分の健康管理も徹底しなければなりません。けがもできません。木村さんは健康な身体を作ろう、相手の命を救うために自分も全力投球しなければならないと書かれています。

この本を読んで感じたことは、

・ドナーは何の見返りもないのに他人の命を救うためにまるで捕らわれの身となって、移植日に備えなければならない、本当に最大のボランティアと言えます。

・逆に木村さんのように家族の説得とか自分の身体の心配とか移植日までの健康管理、何度も検査に行くなどのいくつもの関門を潜り抜けることができる人は他にそうそういるものではない。だから長期間移植を待つ患者も多く、結果臍帯血移植に止む無く切り替えることも多いのではないか。

・しかし、もし妻がドナーからの骨髄移植ができるのであれば、木村さんのように大きなプレッシャーを乗り越えて提供してくださるのだから、移植後のGVHDのことも心配ですが、大きな感謝の心を持ってドナーの骨髄を受け継いで生きていくという決意をすることがとても大事だと思います。

妻は病院にあった別の体験記、石野鉄 著「骨髄ドナーに選ばれちゃいました」も読んでいます。


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