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blog tytle

造血幹細胞移植について(続)

今回は主に(同種)移植した後のことについて記したいと思います。

移植されたドナーさんの造血幹細胞が2~4週間で徐々に生(定)着し、細菌感染や出血などの症状は減っていく代わりにGVHDやウイルス感染などの合併症状が増えてきます。

移植後約100日以内に起きるGVHDは急性GVHDと呼ばれ、主な症状としては皮膚の発疹、肝機能障害(黄疸)、大腸の障害(下痢)とあります。予防、治療のために患者の免疫を抑制する薬剤としてシクロスポリン、タクロリスム、メソトレキセートを投与。メソトレキセートの副作用に激しい口内炎があり、その痛み止めとしてモルヒネを使うほどだそうです。患者は口腔内を常にうがいで清潔に保ち、傷を付けないようにしなければなりません。

またウイルス感染は、移植後1年間に起きやすい合併症です。主に元々患者の体の中にあった(常在)ウイルスが再活性化して起きるようです。特に注意が必要なのがサイトメガロウイルスによる肺炎で、重篤な場合には命に関わるとのこと。このウイルスは腸炎も引き起こします。他にヒトヘルペスウイルス6型による脳炎、アデノウイルスによる出血性膀胱炎などがあります。また患者の約1/3で非常に強い痛みの帯状疱疹(ヘルペス)が出てきます。このように様々なウイルス感染を早期発見するために頻繁に血液検査が行われます。

その他の合併症として、肝中心静脈閉鎖症(VOD)や腎臓や腸の血栓性微小血管障害(TMA)などにかかることもあり、これらも充分注意する必要があります。

移植後100日以降に出るGVHDは慢性GVHDと呼ばれ、この時には初期のGVHDやウイルス感染が少ない患者は退院している場合もありますが、酷いGVHD症状が出た場合には速やかに受診しなければなりません。主な症状としては肝機能障害、慢性肺疾患、関節痛、唾液や涙が出にくい、皮膚の乾燥、白内障などです。症状が強い場合にはステロイド剤などを長期間服用する場合もあるそうです。

説明資料によれば、移植後早い人で約50日、遅い人で約120日で退院可能(1、2週間に1度の通院は必要)とありますが、それまでの間患者は様々な試練を乗り越えなければなりません。また乗り越えたとしても後々再発や2次(別の)がんを発症してしまうこともあるとのことです。妻は先生から移植治療の説明を受けた後その同意書にサインしました。その中には移植を受けない場合でも不利益を被らないこと、同意はいつでも撤回できること、が含まれていました。


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